〜アナログ カラー画材編〜



・紙と線画
 この辺は完全に好み、と言うか使いたい画材によって変わってくる。例えば水彩塗りをやりたいなら水彩画用紙に耐水インクでペン入れ、コピックなら滑らかな紙にハイテックやミリペン・つけペンを使用する、といった具合。

・万年筆
 いきなりイロモノで申し訳ないが、線画を描く時に意外と使える道具だったりする。というのも、あらゆるメーカーからあらゆるカラーが発売されており、言わずもがな線にも抑揚が付くから。インクの性質によっては滲んだりすることもあるので、お店で試し書きをさせてもらうと良い。本体は値が張るので趣味の逸品かも。

・コピック
 アナログ漫画絵の王様、カラーマーカー。高価だがインク量の多い「スケッチ」と、入門用に安価(といっても1本250円だが……)で売られている「チャオ」がある。
 各カラーにはナンバーが振られており、「YG」ならイエローグリーン系の色、「YG11」は淡いイエローグリーン、「YG63」はそれより濃いイエローグリーン、ということ。各色系統とも0番が最も薄く、それ以上薄い色は発色できないので注意。ちなみに完全無色の「0番」は、ぼかしたり、はみ出しを修正するのに重宝するので、とりあえず買っておくと安心。他は随時、自分の使いたい色を集めて行くといい。
 紙によって滲みや発色の度合いが違うので、思った通りに塗れるようになるにはそれなりの慣れが必要。基本的に厚い紙ほど深い色になり、滲みの度合いが大きい。
 線画の色にこだわらないなら、コピー機を利用するという手もある。コピーのトナーはコピックでは溶けない上、コピー用紙は比較的滲みにくく発色も鮮やか(ただし保存性には難あり)。コピーなので失敗しても安心。

・白の油性ボールペン(または修正ペン)
 コピックに限らず、仕上げにコントラストの強い白を使いたい時に重宝する。あまり使用すると絵の表面が凸凹になってしまうが、大抵は問題なく、また遠目には目立たない。

・色鉛筆
 意外にも活躍してくれるダークホース的存在。
 例えばコピックはその性質上、淡いグラデーションを出すことが難しいが、上から色鉛筆を重ね塗りすることで繊細な陰影を描いたり頬紅を乗せたりすることが可能になる。
 24色のセットがあれば大抵は事足りる。36色あれば、混色(重ね塗り)の技術次第で「使いたい色がない」なんて事態は避けられるはず。
他の画材で塗りたいけれどキャラクターの配色が決まらない……といった時に、コピーを取って色鉛筆でざかざか塗ってみるというのも一つの手。
 油性と水彩があるが、この辺はお好みで。

・水彩絵の具
 誰もが小学生の時に慣れ親しんだ画材。だが、漫画絵を描くとなるとやはり発色の良い絵の具を使いたいものである。有名どころかつ人気があるのはホルベイン。サ○ラマット等とは全く次元の違う美しい色が出せるので個人的にもお勧めする。紙も画材屋等で売っている水彩画専用用紙の使用を推奨。
 色を塗る前に「水張り」と呼ばれる工程を挟むのが一般的とされているが、これは使う水の量によっては不要だったりするので人によりけりである。
 水彩ならではの「滲み」や「色ムラ」の他、マスキングインクを使ったり、塩を撒いたりすることで面白い表現が出来る。

・パステル
 粉末状に削ったものを紙の上に伸ばす描法が一般的。描き終わった後はフィキサチーフと呼ばれる定着剤を吹き付ける必要がある。他のどの画材にもない、独特のふわふわ感が出せるのが特徴だが、扱いが難しく、また多彩な表現もし辛いので主画材として使う人は少ない。ちょっとした背景などに使う分には結構重宝だったりするのだが、フィキサチーフを吹き付けられる環境(それなりに広い作業場、又はベランダ等)が必要なのでやはり難しい画材である。

・その他、カラーインク、リキテックス、エアブラシ、油絵の具など
 カラーインクはまだしも、その他は漫画イラストにおいて一般的とは言い難い画材。
 とはいえ、こういう表現ツールもあるのだということを忘れないようにしたい。



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